生前整理の際の遺産相続

今、終活が話題になっています。生きているうちに自分の人生の終焉に向け準備を前向きに行っていこうという考え方です。ですから、生前整理とはまさに終活のことだともいえます。

いらないものの処分もそのうちの一つです。しかし、遺産相続についても生前整理の筆頭に挙げられます。

生きているうちに、ご遺族が困らないように、また、あなた自身も心残りがないように生前整理を積極的に行いましょう。

誰かがしなければいけない整理です。それを生前に行うのかもしくはお亡くなりになったとき、ご遺族が行うかで意味合いが大きく変わってきます。ご遺族に迷惑をかけたくないと考える方が最近増えてきているということでしょう。

まず、必要な手続きですが、まずご遺族のことを考えると分かりやすいのかもしれません。嫌な話かもしれませんが、ご自身がお亡くなりになったときに、ご遺族が一番困ることは何なのかを考えることから始めてみましょう。

ご遺族はあなたがどのような遺産をお持ちか把握していれば、遺産相続も楽になると思いませんか?

必要な手続き

遺産相続には色々と期限のついた手続きがあります。遺産分割協議や法定相続人の把握に時間を割くのはもったいない話です。すぐに理解できるようにしておくのがベストではないでしょうか?

まず最初に貴重品は一か所にまとめて置きましょう。ご遺族もどこに何があるのかすぐにわかることになり、苦労も少なくてすみます。早速ですが、一か所に集めておくものは印鑑、通帳、契約書類(有価証券、不動産権利書、生命保険証書)などの書類になるはずです。

一か所にまとめておくと万が一、泥棒が入った際に盗まれやすそうだと考えるかもしれませんが、ばらばらに置いて起こるデメリットのほうがよっぼど大きいといえるでしょう。

重要:貴重品は1か所にまとめておく

次に、遺産相続においての重要事項になるのですが、自分自身の財産を把握しておくことです。案外、忘れていたりするものです。どのような財産があるのか「財産目録」を作っておきましょう。思い出したものがあれば、書き足していくのです。

まず財産になるものといえば、「現金、預金、建屋、土地」、先ほども書きました「有価証券、不動産権利書、生命保険証書など」になります。また、「宝石類、車」なども相続の対象です。忘れずに書いておいたほうがベストです。

重要:財産目録を作成する

自分で手続きは行える?

以上はご自身でも苦労せずに行えることではないでしょうか?。次に誰に何を遺産として残しておきたいという意思がある場合、遺言書を書いて残しておく必要があります。また、残しておいたほうが、ご遺族が遺産相続で争うということも起こらないでしょうから安心です。ちなみに、遺言書を作成されない場合はご遺族には法定相続分の分割で遺産が渡ることになります。

ここで、自分の遺言書だからといって自由に書いていいというわけにはいきません。その遺言書に効力があるかどうかがお亡くなりになった後に問われることになるからです。

重要:遺言書を作成しておく

遺言書は民法で規定されている文面でなければいけません。「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」。これは民法968条に書かれている遺言書の決まり事です。これを自筆証書遺言(いごん)といいます。つまり、被相続人の意思を示した遺言書のことです。

まちがってもパソコンで作成してはいけません。自筆が重要です。パソコンでしたら誰でもまねして書けてしまいますから無効になります。当然かもしれませんね。

重要:民法968条の規定に沿って遺言書を作成しなければならない。(自筆証書遺言)

これを自分一人で作成するのは難しいと感じる方が多いのではないでしょうか。様々な決まりごとがあるからです。仮にお亡くなりになりますと遺言書を見つけたご遺族は作成された遺言書に効力があるのか家庭裁判所で確認しなければいけません。つまり、法律的に有効な遺言書をお一人で書くことになるのです。

書き方によっては無効な遺言書となる場合も珍しいことではありません。そのため、お一人で書くのはリスクのあることだと認識しておいてください。せっかく書いた御意志が反映された遺言書が無効になっては悲しいですね。

重要:お亡くなりになられた後、遺言書は家裁で確認される。(法的に有効でなければならない)

最後に

最近では親族が近所にいないなどの理由で生前整理を業者に依頼する方も増えていると聞きます。そうした場合、中には遺産相続の手続きをしてくれる弁護士、税理士を紹介してくれ業者もあります。手間を考えると生前整理を業者に頼み、遺言書の作成も紹介してもらうのがベストな方法かもしれませんね。

何はともあれ、お亡くなりになった後、親族には何の争いごとも起こさず、仲良くやっていってほしいというのが願いのはずです。そのためにも遺言書作成する際はきちんと法律にのっとった書き方でなければいけません。